自動車の運行共用者は、その運行によって他人の生命または身体を侵害した場合に、

無過失責任を負います。

すなわち、運行共用者は、

①自己および運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、

②被害者または運転者以外の第三者に故意または過失のあったこと

(例えば、被害者の方が信号を無視し、または不意に

歩道から車道に出てきたことなどです。

また、被害者に過失はなくてもその横を歩いていた第三者が

被害者を車道に突き落としたなどです)、

③自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかったこと、

の三点のすべて証明しなければ責任を免れません。

これを運行共用者の責任といいます。
 

 ここにいう「自動車」とは、原動機により陸上を移動させることを目的として

製造した用具で軌条もしくは架線を用いないもの、または、牽引して

陸上を移動させることを目的として製作した用具をいい

オートバイや原動機付自転車も含まれます。

 「運行共用者」とは、自動車を事実上支配し、または自動車の運行により

利益を得ている者のことで、一般には、自動車の所有者がこれに当たるが、

賃借人や借主も運行共用者です。また、レンタカーの営業主も、

使用についての規則を定め賃貸しているので、

なお自動車に対する支配を完全には失っていず、運行共用者とされます。

その場合、営業主も利用者も共に

運行共用者の責任を負うことになります。


 自動車には強制保険制度が採用されているが、その保険金額には制限があり

(自動車損害賠償施行令)、被害者の損害額がこの制限を超えた場合でも、

運行共用者には賠償の責任が生じます。

 カテゴリ