行為と結果との間に条件関係があるかどうかを判断するときに、通常の経験から

 「その結果が、自然の法則に基づいてその行為により引き起こされたといえる

 ならば、その行為と結果との間には条件関係がある」と判断する場合、

 これを「合法的な条件の公式」または「法則的な条件の公式」といい、

 我が国では少数説ではありますが、ドイツでは有力な見解と

 なっています。


  この公式を択一的な競合(例えばAとBとが独立にそれぞれCに致死量の毒薬を

 与えてCを殺害した場合)に当てはめてみると、致死量の毒薬でCが死んだと

 いう結果は、AまたはBがCに致死量の毒薬を与えたという事実の後から

 起きたものであり、自然の法則に従ってもAまたはBの行為と

 Cの死という結果とは条件関係があるといえます。

 ただしAの行為とBの行為とが同時に作用したことが確定された

 場合にのみ条件関係があったとすべきでしょう。