危険増加の法理とは、過失犯において、行為と結果との関係を因果関係の
条件関係の公式によってではなく、行為者が注意義務に違反することが
結果を引き起こす危険を高めたか否かによって、結果を行為者に
帰属させようという考え方です。
本説は、ドイツにおいてロクシン(Roxin)によって主張され、
かなりの支持者を獲得しつつあり、我が国でも論議される
ようになってきました。
例えば、過失によって結果を
慎重に行為したとしても多分に同じ結果が生じたであろうということが
判断されれば、行為者にその結果を帰属させることが
できるのかが問題となります。
この場合、行為者が注意義務に違反したことが結果を引き起こす
危険を高めたというだけで行為と結果との関係は充分であるとし、
行為者に結果を帰属させることができるとしています。
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