共犯責任の根拠に関しては、「共犯独立性」ということも考えられますが、
我が国の刑法の解釈として狭義の共犯、すなわち教唆犯及び従犯は、
他者なる正犯に従属して成立するものとし、これをもって主たる
犯罪に対する加担犯とするのが、従来の伝統的な考え方です。
これを、「共犯従属性の理論」といいます。
共犯独立性論 と、共犯従属性論 との間に成立する適用上の差異は、教唆犯
及び従犯の処罰につき、正犯の成立を必要とするか否かです。
ただ従属性説に従うとしても、どの程度の従属を必要とするかについては
見解が分かれています。
現在最も有力な説は、正犯が罪となるべき事実形式に該当する行為を演じ、
且つその行為が違法であるとの判断を受ける程度であれば足り、
敢えて正犯者に主観的な「責任性」すなわち、責任能力の
あるとか、「故意」または「過失」というような責任条件の
備わっていたことを必要としないものとしています
(制限従属性説)。
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