公衆の健康を保護法益とする犯罪で、公共危険罪の一つに数えられます。

 汚染罪浄水・水道毒物混入罪水道損壊罪に分類されます。



  汚染罪は、目的物が飲料水か、水道による公衆に供する飲み水、

 またはその水源であるかによって刑罰が異なります。

 汚染とは、使用できなくすることであり、感情的に不潔感を

 与えるものでも構いません。

 飲料水は自然に湧き出すものでも、水がめなどに

 蓄えられているものでも構いません。

 飲料にする人の範囲は、不特定または多数の人と

 解されています (通説)。

 水道とは、水を一定の場所へ導くための

 設備のことをいいます。


  毒物混入罪は、毒物その他健康を害するような物を混入する罪で、

 汚染罪と同じように目的物によって刑罰が異なります。

 汚染罪、浄水毒物混入罪を犯し人を死傷に至らしめると

 刑が加重されます。

 致死傷の認識があれば殺人罪、傷害罪との観念的競合となります。

 ただ、水道毒物混入罪では致傷の規定がありません。

 致傷の結果が生じる場合も規定に含まれているからです。

 致死の結果が生じれば刑が加重され、結果を予見すれば、

 別に殺人罪が適用されます。


  水道損壊罪の目的物は、水道だけで水源は含まれません。

 水源の損壊・閉鎖は水利妨害罪に問われることがあります。