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5. 刑法総論のカテゴリ記事一覧

カテゴリ:5. 刑法総論

5. 刑法総論のカテゴリ記事一覧。さまざまな法律用語について分かりやすく解説していきます

5. 刑法総論
  犯罪を実現するためにする準備行為をいい、実行の着手にまでは  至らないものをいいます。   犯罪は一般にある決意に基づき、その意思を外部に表現しようとする行..

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5. 刑法総論
  未遂犯のうちで「自己の意思により犯罪を中止した」場合を指します。    我が国の刑法上、未遂犯には二つの場合があり、一つは、障害未遂犯、 二つは、中止犯です..

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5. 刑法総論
  犯罪として規定されている行為を開始することをいいます。  未遂犯の成立には、客観的要件の一つとして「実行の開始」または 「実行の着手」ということが必要となり..

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5. 刑法総論
  犯罪の実行に着手したが、結果を発生させるに至らない場合をいいます。 犯罪は、その実行に取りかかったが、はじめ行為者が予想したとおり 全部実行を終え、所期の結..

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5. 刑法総論
    行為の当時、行為者が適法行為をなし得たであろうと 期待し得る可能性をいいます。  責任の要件の一つです。 あの場合、誰でもあのようにせざるを得なかったで..

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  業務上必要な注意を怠ることをいいます。  医師や自動車運転手というような、人の生命・身体などに危険を伴う 各種の業務に従事している者が、その業務上必要な注意..

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5. 刑法総論
  注意義務違反の著しい過失をいいます。 重大な過失、つまり著しい注意、怠慢の場合で、ちょっとした注意を払えば 充分被害の発生を食い止められたにもかかわらず、そ..

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5. 刑法総論
  行為者の不注意によって犯罪事実の発生を認識しないことをいいます。  故意と並んで責任の要件の一つです。 知らずにうっかり火事を発生させたり、寝返りを打ったと..

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  打撃の錯誤とも称され、手段に手違いを生じ、狙った客体以外の 客体に結果が生じてしまった場合をいいます。  例えば、甲さんが乙さんに向かって発砲したところ、乙..

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5. 刑法総論
  目的の錯誤とも称されます。 行為者がその行為の客体を取り違えて、その意図した客体とは別の客体を 侵害してしまった場合をいいます。 例えば、甲さんを乙さんと信..

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予備


  犯罪を実現するためにする準備行為をいい、実行の着手にまでは
 
 至らないものをいいます。
 
 
 犯罪は一般にある決意に基づき、その意思を外部に表現しようとする行動形式、
 
 並びにこれによって生じた結果をも含ませた一連の事実のうちに成立する
 
 ものでありますが、一般の犯罪は、その完了、すなわち、既遂として、
 
 あるいは犯罪の不完了、すなわち、未遂として処罰されますが、
 
 この両者は、「実行の開始」、すなわち「実行の着手」が
 
 あった後の行為段階に達したときなのです。


  ところが、ある犯罪を実行しようとする故意はあったが、その故意の
 
 表現である行為が「実行の着手」までに立ち至らない以前のもので
 
 あるときは、これを予備行為といいます。
 
 

例えば、放火罪の場合、放火に使用する石油を購入したに留まる場合、

 
 殺人を意図した者が、殺人用の凶器を入手したに留まる場合が、

 
 これに当たります。


  
  我が国の刑法上、このような予備行為が犯罪として取り扱われているのは、
 
 極めて少なく、それは、特に重要な法益を侵害する犯罪に関してのみ
 
 認められています。
  
 例えば、内乱予備罪、外患予備罪、殺人予備罪、通貨偽造における   一種の予備行為である器械、
原料などを準備する行為などです。
 
 但し、このうち最後のものは、一種の実質的な準備行為そのものが、
 
 独立的な犯罪として規定されている場合です。


  予備罪と未遂罪とは、あくまでも、「実行の開始」、すなわち「着手」が
 
 あったかどうかという点で識別されるのです。

中止犯


  未遂犯のうちで「自己の意思により犯罪を中止した」場合を指します。

  
  我が国の刑法上、未遂犯には二つの場合があり、一つは、障害未遂犯

 二つは、中止犯です。

 前者は、客観的な障害によって犯罪を完了することのできなかった

 場合であり、後者は、犯人の主観的な意思に基づき、任意的に

 犯罪を完了させるに至らなかった場合です

 (中止未遂)。


  外国のある立法、例えば、ドイツ刑法等では、未遂犯といえば、

 ただ障害未遂犯の場合、すなわち狭義の未遂犯のみを指し、

 「未遂からの後退」(Rücktrit von Versuch)というのは、

 犯人が、自己の行為によって発生しようとしている結果の

 発生を防止しようと努力する場合のようなことをいい、

 これは未遂犯とは区別して、それ自体としては

 無罪とすべきものだとしています。


  我が国の刑法上、障害未遂犯の法定刑は、既遂の場合と同じで

 ありますが、ただ裁判官は自由裁量によって刑罰を減軽する

 ことができるものとしているのに対し、中止犯の場合は、

 裁判官は、その刑を必ず減軽または免除しなければ

 ならないものと想定しています。

実行の着手


  犯罪として規定されている行為を開始することをいいます。


  未遂犯の成立には、客観的要件の一つとして「実行の開始」または

 「実行の着手」ということが必要となります。

 行為がこのような段階に入る以前のものは「予備」にすぎません。

 予備の段階で処罰されるのは、極めてまれで、重要な法益を

 侵害する犯罪の場合であり、且つ特にその旨の明文が

 記されている場合に限られています。


  では実際問題として、どういう状態に達したとき、実行の着手があるのか

 という場合に、おおむね三つの考え方があります。


 
①客観的な見解であり、いわゆる構成要件に属する行為事実の一部分、
 またはこれに密接な関係のある行為が行なわれた時だとします。
 
 
②主観的な見解であり、これによれば、ある犯罪を犯そうとする故意が、
  行為者の行動により、会部的に表現せられたとみられるべき段階に
 達した時、ここに実行の着手があったものとします。
 
 
③要するに、犯罪となるべき事実に当たる行為の一部の実行によって、
 行為者の犯罪実行への意思が確認されるに至った時、
 ここに実行の着手があったというべきです。



未遂


  犯罪の実行に着手したが、結果を発生させるに至らない場合をいいます。


 犯罪は、その実行に取りかかったが、はじめ行為者が予想したとおり

 全部実行を終え、所期の結果をあげることもあれば、またその

 途中で何か故障があって挫折することもあり、また自ら

 中止する場合、更には、行為を終了したが、

 結果の得られない場合もあります。


  そこで、我が国の刑法は犯罪の実行に着手し、ある罪となるべき事実の全部を

 実現したものとして「既遂」と称し、これに対し、その実行を開始したが、

 何らかの事情により、法律が各個の条文において、罪とし規定している

 事実の全部を実現するに至らなかった場合を、「未遂」と称します。

 そして、このような未遂を罪として処罰するのは、特に刑法の

 ある条文で、その旨を明確に規定している場合に

 限られます。


  すなわち「未遂犯」というのは、行為者が主観的には、ある犯罪を実行

 しようとの故意を持ち、客観的には、その罪となるべき事実(いわゆる

 構成要件的事実をいいます)の一部となる行為を演じたが、何らかの

 事由のために行為を続行できなかったか、若しくは全部の行為を

 終えたが、所期の結果を得ることができなかった場合をいいます。

 我が国の刑法は、すべての犯罪について、このような未遂を罪と

 して認めるのではなく、放火とか殺人とか、重要な法益を

 侵害する犯罪についてのみ、これを認めています。

 注意すべき点は、我が国の刑法の未遂犯には、

 以下の二つの場合があることです。


 ①一つは、犯人の自由意思によらず、外界の事情によって犯罪の完了に
 
  至らない場合であり、これを「狭義の未遂犯」または

  「障害未遂犯」と称します。

  その法定犯は既遂罪と同じではありますが、裁判官は自由裁量によって
 
  刑を減軽することができます。


 ②二つは、行為者自身の意思によって犯罪を中断せしめた場合であり、
 
  これを中止犯と称します。
   
  この場合には、刑を必ず減軽、または免除しなければなりません。


期待可能性

  
  行為の当時、行為者が適法行為をなし得たであろうと


 期待し得る可能性をいいます。

 
 責任の要件の一つです。

 あの場合、誰でもあのようにせざるを得なかったであろうというような

 状況でなされた違法行為については、その行為を刑法的に

 非難することはできません。

 誰でも彼と同じ状況に追い込まれたら、悪いことと知りつつも

 その行為を思いとどまり、進んで適法行為をとることが

 不可能であったと判断されるからです。


  行為者の責任が追及されるのは、一般には、普通人であれば誰しも

 適法行為をとることが期待できたにもかかわらず、その期待を

 裏切り、適法行為に出た場合に限られます。

 適法行為をとるべき「期待可能性」のない状況でなされた行為には

 責任はありません。

 つまり、期待可能性の有無が責任の有無を決定するという

 考え方が通説的地位を占めています。


  ドイツには以下のような判例があります。

 つじ馬車の馬が突然暴れだして、通行人に怪我をさせました。

 この馬に暴れぐせのあることは御者ぎょしゃは百も承知でした。

 御者は当然「業務上過失傷害罪」に問われる

 べきでありました。

 しかし、御者はそれまでに再三、雇主に対して

 馬を替えるよう申し出ていました。

 だが、雇主は、この申出を拒絶し、御者として雇主の命令に

 そむけば解雇されることは必定でした。

 裁判所はこの事件につき、御車には、その馬を使わないことを

 期待することはできないとして、無罪を言い渡しました。

 俗に「暴れ馬事件」といわれています。


  我が国の最高裁判所は、未だにこの考え方そのものを

 直接認める判断を示していません。

業務上過失


  業務上必要な注意を怠ることをいいます。

 
 医師や自動車運転手というような、人の生命・身体などに危険を伴う

 各種の業務に従事している者が、その業務上必要な注意義務を

 怠り、人を傷つけたり死亡させたりすると、普通の過失犯に

 比べて刑罰が重くなります。


  例えば、業務上過失致死傷罪、業務上失火罪、業務上過失往来危険罪は、

 5年・3年以下の懲役若しくは禁錮、または罰金に処せられます。

 医師の誤診や、自動車事故による致死傷などが

 これに当たります。


  危険発生を伴う業務に従事する者に高度の注意義務を課したもので、

 過失か否かは同業者が一般に持っていると考えられる平均的

 能力を標準として決定されます。

重過失


  注意義務違反の著しい過失をいいます。


 重大な過失、つまり著しい注意、怠慢の場合で、ちょっとした注意を払えば

 充分被害の発生を食い止められたにもかかわらず、その注意を怠った

 強度の注意義務違反を指します。


  この場合、普通の過失━ 軽過失 ━に比べて刑罰が重く、

 罰金または懲役若しくは禁錮に処せられます。

 重過失失火罪、重過失致死傷罪などが

 これに当たります。

過失


  行為者の不注意によって犯罪事実の発生を認識しないことをいいます。

 
 故意と並んで責任の要件の一つです。

 知らずにうっかり火事を発生させたり、寝返りを打ったとたんに

 赤ん坊を圧死させてしまったりするのが過失にあたります。


  知っていてわざとやったわけではないので重くとがめたりすることはできませんが、

 注意さえすればそのような結果を招くことがなかったので、社会生活を営む

 普通人ならばお互いに人命や公共の安全について過ちのないように

 注意し合う義務があるはずです。


  この注意義務に違反し、重大な被害を発生させたことに対しては、

 過失犯としての刑事責任が問われます。

 刑法は故意犯を原則として罰し、過失犯は例外的に法律に

 過失犯を罰する規定のある場合に限って

 これを罰することとしています。


  このように過失は不注意に対する刑法的非難でありますので、

 如何に注意を払っても結果の発生を避け得なかったような

 場合は、不可抗力として過失犯すら成立しません。


  また、性格的に注意力散漫で注意したくても注意できるだけの注意能力の

 ない人間に対しては、不注意の責任すら追及できないわけでありますが、

 それではうっかり型の者が得をすることになりますので、

 注意できたか否かは通常、一般普通人の注意能力を

 標準として決めることになっています。

方法の錯誤


  打撃の錯誤とも称され、手段に手違いを生じ、狙った客体以外の

 客体に結果が生じてしまった場合をいいます。
 
 例えば、甲さんが乙さんに向かって発砲したところ、乙さんに命中せず、
 
 意外にもかたわらにいた丙さんに命中してしまったというような
 
 場合を指します。


  この場合、具体的符合説によれば、乙さんに対する殺人罪の未遂と
 
 丙さんに対する過失致死罪との観念的競合を認め、法定的符合説
 
 抽象的符合説によれば、丙さんに対する関係でも
 
 殺人罪の既遂を認めます。


  我が国の判例・通説では、法定的符合説を採り、具体的符合説は、
 
 ごく少数に留まっていましたが、最近の有力説は、ドイツの
 
 多数説・判例とともに、方法の錯誤について、
 
 具体的符合説を採っています。
 
 おそらく、乙さんに向かって発砲したところ、乙さんばかりでなく、
 
 たまたま傍らにいた丙さんにも命中したような場合には、
 
 法定的符合説では説明が困難になるからだ、
 
 ということでしょう。

客体の錯誤


  目的の錯誤とも称されます。

 行為者がその行為の客体を取り違えて、その意図した客体とは別の客体を

 侵害してしまった場合をいいます。

 例えば、甲さんを乙さんと信じて殺害してしまったときが、

 これに当たります。


  同一構成要件内の客体の錯誤についても、具体的符合説の立場からは、

 これを徹底すれば、故意は阻却されるべきでありますが、従来の

 見解は一般に故意を認め、法定的符合説からは、当然、

 故意の成立が認められます。


  また、異なった構成要件の間における客体の錯誤については、

 法定的符合説からは、原則として、故意の成立は阻却され、

 ただ、例外として、同質的で重なり合う構成要件間の

 客体の錯誤についてのみ、その重なり合う限度で
 
 軽い罪の故意が認められ、抽象的符合説からは、

 行為者の認識した事実と現実に発生した事実

 とが一致する限度で故意犯の責任を

 認めよう、としています。

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